
こんにちは。具です。
先生、頭痛い…
保健室で働いていると、ときどき「あ、これは仮病かもしれないな」と感じる場面があります。でもそれは、決して「ズルしている」「嘘をついている」とか、そういう意味ではありません。
そんなとき、養護教諭はなにを考え、どう対応をしているのでしょうか?ちなみに、生徒はこのテーマを、いつも興味津々に聞いてくれます😊
今回は、
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なぜ養護教諭は“仮病かもしれない”と感じるのか
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そのとき、保健室ではどんな対応をしているのか
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仮病の裏に、どんな気持ちが隠れているのか
を、現場の視点からお話しします。少しでも、保健室でのリアルな空気を感じてもらえたらうれしいです。
※念のためお伝えしておきますが、仮病の生徒や頻回来室の生徒に対して、「来たら迷惑」とか「来ないでほしい」と思うことは決してありませんのであしからず!
💡なぜ「仮病」がわかるの?
養護教諭は、仮病を“見抜く”ための特別な訓練を受けているわけではありませんが、ちゃんとわかる根拠があります。それは、ひとことで言うなら、日々の観察。これに尽きます。特に、言葉とは裏腹に本音が表れやすい「非言語」の観察が重要だと私は思っています。
非言語情報をたくさん見ている
保健室では、言葉以外の情報もよく見ています。
【🔍観察のポイント】
- 保健室へ向かってくるときの足音
- 保健室への入り方(姿勢・歩き方・態度)
- 入ってきた瞬間の表情や声のトーン・顔色・話すテンポや目線
- 抜けてきた授業の教科や時間帯
どんなに迫真の演技をしていても、いつもより元気そうだったり、逆に、元気なふりをしているけれど目が落ち着かなかったり。これらの「いつもとの違い(非言語の情報)」を瞬時に読み取ることで、その子の状態がだいたい見えてきます。
「いつもの様子」との違い
養護教諭は、その子の“いつも”を意外と観察しています。
普段はどんな雰囲気の子か(休み時間や登下校の様子・交友関係等)
よく保健室に来るのか
その日の学校生活(学校行事)の流れ
- 担任や学年職員との日頃の情報交換
授業に入ることは少ないけれどだからこそ、授業以外の場所で日々積み重ねている観察ーーこれを経て、「あれ?今日はちょっと違うな」と感じることがあります。養護教諭の「あれ?」は、決してただの直感ではなく、積み重なった観察の結果なのです。
なお、わかりやすいかなと思って“見抜く”という言葉を使っていますが、「見抜く」というよりは、むしろ“間違い探し”に近い感覚です。いつものその子と、今日のその子。
ほんの少しの違いを見つけるだけで、背景が見えてくることがあります。
📝「仮病」と感じたときの対応
さて、ここが一番大事なところです。結論から言うと、仮病だと感じても、咎めません。
なぜなら、保健室へ“仮病”で来るとき、そこには必ず「理由」があるから。サボりだったとしても、「なぜサボりたいのか」「なぜ仮病を使ったのか」——本人なりの理由があるはず。一見「サボり」と思える行動の奥には、「安心したい」「誰かに見てほしい」という気持ちが隠れていることもあるとわかっているから、決して咎めることはしないのです。
👣対応の基本3ステップ
①まずは受け止める
仮病とわかったところで、問い詰めたりはしません。
「授業へ戻りなさい」も初手では言いません。
ただ、ひとことだけ声をかけます。
どうしたの?
別に。具合悪い
一見取りつく島もないように見えますが、体調が悪いと“本人が感じている”ことは事実。表情、言葉のトーン、体の向きーー生徒は常になんらかのサインを出しています。そういう“かすかな違和感”を受け止めます。
②話を聞く
私は、話すときに“Iメッセージ”を意識します。質問を「責められてる」と聞こえないよう注意を払いながら、自分の感じた印象を伝えるように。
なんかイライラしているように私には見えるけど
…なんで?
ふだんそんな風に足パタパタしないじゃん。なんかあったのかな?って
こうやって少しずつ話していくうちに、「先生が全然話聞いてくれない」「ムカつく」「あいつウゼぇ」といった本音が、ポロッと出てくる瞬間があります。
その言葉を拾って、返して、拾って、返してーーこのやりとりを繰り返すことで、生徒は次第に落ち着きを取り戻していきます。
③授業へ戻す
話を聞いたあと、気持ちの整理ができたら、基本は授業へ戻す方向へ支援します。無理に突き放すのではなく、「よし、行ってこようか」と背中を押すイメージ。
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今なら戻れそう?
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次の時間だけ出てみる?
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無理ならまた来てもいいよ。
と、選択肢を提示します。ここまでくると、「そろそろ授業行くわ」と自分で決断し、教室へ「戻る」ということに抵抗したり、反抗したりする子は少ない印象です。
💔仮病の裏にある気持ち・誤解されがちなポイント
「仮病=怠け」と思われがちですが、現場ではそう単純ではありません。
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不安
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緊張
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逃げ場がほしい
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誰かに話を聞いてほしい
そんな気持ちが、「体の不調」という形で出てきた“これ以上がんばれないサイン”=「SOS」であることも多いです。
だから、保健室に来る行為そのものが、安心を求める行動だと見ています。
🏫保健室対応で大切にしていること
養護教諭として、私が大切にしているのは、
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安心させること
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依存させないこと
このバランス⚖️
ずっと保健室にいさせることも、無理やり教室に戻すことも、どちらも生徒の成長を阻害してしまいます。
その子にとっての「今できる一歩」を一緒に考える。それが、保健室の役割だと思っています。なにより、自分で「つらい」と判断して行動できる。それ自体は、これから生きていく上で、そして大人になる上で、とても大切な力です。
🌈おわりに:保健室は「調整の場所」
仮病って、厳密に言えば“嘘”ではあるけれど、それを「仮病でしょ?」なんて咎められた日には……パタリと閉じてしまう心のドア。
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仮病かどうかを決めつけない
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背景にある気持ちを見る
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少しずつ、教室との距離を調整する
保健室は、白黒をつける場所ではありません。嘘とわかっても決して咎めず、少し心を休めて、気持ちを整えて、「よし、行っておいで」と送り出したいといつも思っています。
でも、時折、保健室には、この「仮病かもしれない」を繰り返す子もいます。
- 毎日来る。
- 授業ごとに来る。
- 特に症状は変わらない。
そういう子を、養護教諭はどう見ているのか。そして、どう関わっているのか。次回は、そんな記事も書いてみたいと思います。
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ちなみにうちの猫さまは、キッチンのゴミ箱に捨てた鶏肉のラップを奪おうと抜き足、差し足、忍足……「コラ!見えてるよ!!」と叱ると、「いや?私水飲みに来ただけですけど??」とUターン。シラを切るなんて、なかなか頭のいい猫さまです。