女同士のふうふです〜彼女と猫さまのあいだ〜

養護教諭×保育士の同性カップルが織りなす日々の記録

【実録】同性カップルの馴れ初めエピソード|交際20年の歴史

こんにちは、具です。
交際20年目に突入したわたしたち同性ふうふ。あの日、たまたまネットの世界で出会い、オフ会で「雷に打たれるような出会い」を果たしてから、もう20年。思い返せばいろんなことがありました。楽しいことも、苦しいことも。けれど「この人と一緒にいたい」という気持ちを支えに歩んできた時間は、確かにわたしたちの宝物です。

今回は、20年という節目を機に、ふたりの馴れ初めについて、振り返ってみたいと思います。

🌈出会いのきっかけ

私たちの出会いは、まだSNSが今ほど発達していなかった時代のインターネットでした。
当時、彼女はとある漫画の二次創作サイトを運営していて、私は偶然そこを訪問。掲示されていたイラストに心を奪われ、「このサイトの管理人さんと仲良くなりたい!」と強く思った私は、自分でもサイトを立ち上げました。
交流が広がるなかで、他の管理人さんから「オフ会をやろう!」という流れに。そのオフ会が、私たちを結びつけるきっかけになりました。

⚡️出会ったときの不思議な衝撃

忘れられないのは、オフ会会場へ向かう電車の中での出来事。「電車の中で待ち合わせましょう」と、メールでやりとりをしていたときのこと。どこにいるかな?と探していると、座席にちょこんと座っていた彼女が、こちらを見つけて手を振ってきました。その瞬間、頭に雷に打たれたような衝撃が走ったのです。これまでの人生の中で、後にも先にもこの衝撃は一度だけ。今でもあの感覚は不思議です。
それまで、電話で話した声は可愛い印象でしたが、実際に会うと、隣にいるだけで空気が柔らかくなるような癒しのオーラ初対面なのに、不思議なほど惹かれていきました。

オフ会が終わり、帰りの電車では、別れが近づくたびに胸が締め付けられ、言葉も出ないほど。私が先に駅へ降りた瞬間、体の一部をもぎ取られるような痛みを覚えました。あのときの寂しさは、20年たった今でも鮮やかに蘇ります。

後にこの話を彼女(パートナー)にしたところ、「うちもまったく同じ衝撃だった!!」と教えてもらいました。「前世で何かあったのかな?」と、今でもたまに話題になります。本当に不思議。

💌告白〜交際に至るまで

オフ会を機に仲を深めた私たちは、そこから3年間、友人関係を続けました。
プライベートでも二人でよく遊ぶようになり、遊んだ帰りには、いつも胸が裂けるように寂しくなり、チャットにログインする彼女を見つけると、うれしくて眠れなくなる。夜通し絵チャットで語り合い、笑い合う時間は、私にとって、他の友だちとの関係とはまるでちがう特別なものでした。
ただ、相手が同性ということもあって、その感情が「恋愛」だと気づくのに時間がかかったのです。(それまでの私は、恋愛対象がすべて男の子だったので)

💍告白のきっかけ

転機は、ふと立ち寄った駅の雑貨屋。いつも通り遊び終え、彼女が帰路つく時間。雑貨屋の中をなんとなく眺めて歩きます。

 

いつもさ、お別れになるとすごく寂しいよね

ね。不思議だよねーーお揃いのものとか買ったら、ちょっと寂しくなくなるかな

思いがけない提案。

 

あ、それいいかも!

これとかいいんじゃない?つけてみようよ

手にしたのは、当時で1つ1000円ほどのリング。どこにでもあるメッキの指輪が、私にはどんな高価な指輪よりも輝いて見えました。

 

じゃあね、また遊ぼうね!

いつもなら寂しいだけのお別れ。ですが、今回はいつもの寂しさが薄れ、胸の奥がドキドキしていたことを覚えています。

 

(なんでこんなにドキドキするんだろう。なんでこんなにお別れがつらいんだろう。もしかして…いやいや、そんなはずは…)

悩みながらも、心のどこかで本当は答えに気づいていた私は、居てもたってもいられなくなりました。

📞告白のとき

指輪を購入して約1週間後ーー勇気を出して彼女に電話をしました。
もしかしたら、友だち関係も終わるかもしれない。そんな恐怖と伝えたい思いが交錯していました。

 

大事な話があって

うんー

…あのね、君のこと、好きかもしれなくて

当時の私は耐えきれず、泣きながら伝えることになってしまいました。こんなはずじゃなかったのに、と思いながらドキドキして待っていると、

 

うちもだよー

彼女は悩むでもなく、笑って答えてくれました。拍子抜けするくらい迷いなくあっけらかんと言われたあの空気を、今でも鮮明に覚えています。あまりにもいつも通りすぎたので、ぜったい本意が伝わっていないと思った私は、さらに念を押して伝えます。

 

え、私が今言った“好き”って、“恋愛”的な意味で“好き”ってことでーー

わかってるよー

マイペース。え!本当ーーにわかってる?!
人生最大の告白は、なんとも言えない不安と疑問が残ったスッキリしないものでした。後日、改めて気持ちを確認し合い、晴れて交際がスタートお揃いの指輪を買った日(8月20日)をわたしたちの「交際記念日」にしました。

⏳同棲・そして別れ

やがてふたりは社会人になり、同棲を決意。保育園に就職した彼女と、学校で働く私の勤務地の中間に1Kの小さな部屋を借りました。けれど1Kでの生活はプライベートがなく、ケンカが絶えません。ついには部屋の真ん中に布を張って仕切りを作るほど、関係が一時ぐっと冷えた時期がありました。

それでも、話し合いを重ね、「楽しく一緒に暮らしたい」という気持ちは共通していたので、1年後には2DKの部屋へ引っ越し。生活空間を分けることで関係も落ち着き、猫との出会いもあって少し落ち着いたように見えました。

しかし、やはりお互い仕事のストレスがあったり、同性カップルであることをまだ公に言える時代ではなかった背景も手伝って、自分たちの世界に閉じこもる日々。友だちと遊ぶことなんてほとんどなくふたりだけの生活に息が詰まって衝突することもめずらしくありませんでした。

💔1年間の別れ

さまざまなすれ違いが重なり、とうとう、別れて同棲を解消した時期さえあったのです。あの頃はまさに、人生のどん底でした。
しばらく音信不通になってた時期もありましたが、あるとき彼女からメールが届き、「友だちとして」遊ぶことができるようになります。なんともいえない距離感。なんともいえない空気。それでも、せっかく会えることになった貴重な機会。
同棲を解消して遠くへ住んだ彼女の家へ、当時お金がないために、下道をひた走って車を飛ばした日々を、今でも忘れることができません。

別れてから1年後ーー私たちは復縁し、再びいっしょに暮らすことを選びました。しかし、別れている期間に、私は心身を崩し、うつ病を発症。運転中、回避できないほどの眠気に襲われ、修学旅行の引率へ行ってもほとんど起きていられず、とうとう仕事にならなくなったあたりで、療養休暇に入った時期もありました、
2年ほど治療に専念し、今は寛解しています。この経験を通して、彼女の存在の大きさを改めて感じました。

🗓復縁から現在まで

私たちが10代の頃、「同性カップル」や「同性愛」を検索すると、検索結果の上位には必ず「アダルトサイト(アダルトコンテンツ)」「出会い系の掲示板」が軒を連ねていました。
多感な10代にとって、この結果はあまりにも酷なもので、どこを探しても、生活しているふつうのカップルは見当たりません。

しかし時代が進み、SNSが発達すると、同じような境遇の人とつながれるようになりました。コミュニティに参加することで友だちができたことで、孤立感も薄れていきました。
「ふつうに生きる同性カップルなんて、きっと私たちだけ」と思っていた私たちにとって、日常を生きる同性カップルに出会うことができたSNSの存在には、今でも感謝しています。

さまざまな困難を乗り越え、2017年には結婚式を挙げ、今は楽しく暮らしています。

【関連記事「両親へのカミングアウト」と「結婚式レポ」】

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振り返れば、私たちが衝突してきた課題「孤独感」でした。もっと早く同じ所属の友だちと出会えていたら…。そう思うと、今は少しだけ、良い時代になったのかもしれません。
しかし、それを除けば「お金」「家事分担」「趣味の理解」など、同性カップル特有の問題ではなく、どこのカップルでも直面するものと大差ないのです。

✨今、こころから願うこと

20年を迎えた今、改めて願うのは「早く日本でも同性カップルが法的に家族と認められるようになってほしい」ということです。“いないもの”とされたことで生まれる孤独感は、特に10代の子ども時代には耐え難い苦しみです。私たちが送る日々だって、異性カップルとなんら変わらないただの生活です。でも、その「当たり前の生活」が法律で守られていない現状は解消すべき人権の課題です。

同性カップルが、家族として国から認められたら、こうした孤独や将来の不安を抱える子どもが少しは減ってくれるのではないかと心から思うのです。

🌈おわりに:これまでとこれからと

先日、20周年のお祝い人生初のお揃いジュエリーを購入しました。

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20年前、偶然ネットの海で出会ったふたりが、気づけば人生の半分を共に過ごしていました。これからもわたしたちは、一度きりの人生を悔いのないよう、自分たちなりに模索し、重ねていきます。ただ不安に苛まれるのではなく、未来に希望を持ちたい。次の10年、20年も、旅行したり推し活したり、日々を楽しみながら、いっしょに生きていけたらと思っています。

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ちなみにうちの猫さま【左写真の左側】は、2012年に我が家にやってきました。その前には、2匹の病弱姉妹猫(長女さま【左写真の右側】と次女さま【右写真】)を引き取って生活した時期も。懐かしいものです。猫さまも、どうか長生きしてくださいね。

【同性カップルの日常】に関する記事はこちら。

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